華やかな街パリに突如降り立った、シカゴ育ちのPR女子・エミリー。彼女のワードローブはカラフルで攻撃的、笑顔は無敵、でも価値観はちょっぴりアメリカンすぎる──。そんな彼女がフランスの美と偏見と文化の違いの渦に飛び込み、恋と仕事と友情に悪戦苦闘するNetflixオリジナルドラマが『エミリー、パリへ行く(Emily in Paris)』です。
全3シーズン(2024年4月現在)、世界中で視聴され、インスタグラム映えとリアルカルチャーショックの間を綱渡りするこのドラマ。ファッションも、恋も、仕事も、「うまくいかないから面白い」。この記事では『エミリー、パリへ行く』の魅力をとことん解剖し、「観てみようかな」と思わせるフレンチな魔法をかけていきます。
Contents
エミリーって誰? なぜ“パリへ行く”ことが特別なのか?
エミリー・クーパー(演:リリー・コリンズ)は、バリバリのアメリカ人キャリアウーマン。予定外の人事で、フランスのパリ支社に異動することに。言葉も文化もまったくわからないのに、「SNSの戦略は私に任せて!」とグイグイ攻めていく彼女の姿は、どこか痛々しく、でも愛らしい。
彼女が“行く”パリは、私たちが旅行で見る表の顔とは違います。煙草をふかす上司、労働時間を死守する部下、見栄と皮肉と色気が交錯する恋の相関図。そう、「パリ」は単なる舞台ではなく、ひとつのキャラクターとしてエミリーに試練を与える存在なのです。
見どころ①:ファッションが、もうファッションじゃない
シーズンごとに数百の衣装が登場し、その全てが「ただのオシャレ」ではなく「キャラの内面」を語っているのがすごい。エミリーの奇抜なカラーや柄合わせは、彼女の“浮いている存在”を象徴し、やがて“自分らしさ”への肯定に変わっていきます。
ファッション好きには、キャリー・ブラッドショー(Sex and the City)以来の衝撃。実はこのドラマの衣装担当は同じくパトリシア・フィールド! シーズンを重ねるごとにパリジェンヌ風の落ち着きを帯びていくエミリーの成長は、服を見ているだけでも伝わります。
見どころ②:恋愛ドラマのようで、“仕事”のリアルも描く
「恋ばっかりしてるドラマでしょ?」と思ったあなた、ちょっと待って。
たしかにイケメン率は高い。でも本質は「カルチャーギャップを乗り越える働く女性の奮闘記」なんです。
- プレゼンで理解されないアイデア
- 英語が通じない会議
- ジェンダーとキャリアの間で揺れる上司
- ワークライフバランスの価値観の違い
こうした“異文化のズレ”が絶妙にリアルで、エミリーにイラっとしながらも応援したくなる理由にもなっています。
見どころ③:SNS時代の“映える”と“伝わる”の境界線
エミリーはSNSマーケティング担当という設定だけあって、インスタの投稿もひとつのストーリー要素。バズらせることに長けた彼女の投稿は一見完璧。でも、バズと共感は同じじゃない。
数字と影響力にとらわれすぎた時、彼女はパリで「“本物”って何?」という問いに直面します。
SNS時代に自分をどう表現すればいいのか? その答えがこのドラマの中にさりげなく描かれているのです。
パリって本当にこんな街? という疑問に答える
このドラマ、賛否の「否」側からよく聞かれるのが「ステレオタイプすぎる」という意見。
たしかに、フランス人は皮肉屋、昼からワイン、時間にルーズなど、デフォルメは強めです。でも、そこがまた海外ドラマらしく、軽やかにカルチャーを笑い飛ばす良さでもあります。
「リアルじゃない」と嘆くより、「パリを皮肉るラブレター」として観ると、むしろ愛が見えてくるのです。
まとめ:エミリーの奮闘は、私たちの小さな戦いの鏡かもしれない
仕事に、恋に、自分らしさに悩む全ての人に、エミリーの笑顔と失敗とワードローブが勇気をくれる──。
『エミリー、パリへ行く』は、単なる恋愛ドラマでも、ファッションショーでもありません。異文化のなかで“自分の立ち位置”を見つけていく、一種のビジネス×成長×共感ドラマです。
“失敗してもカラフルにいこう。”そんなメッセージを、ぜひNetflixで受け取ってみてください。
エミリー、パリへ行く(Emily in Paris) 配信情報
- 配信元:Netflix独占配信
- シーズン数:3(シーズン4は2024年公開予定)
- 出演:リリー・コリンズ、フィリピーヌ・ルロワ=ボリュー、アシュリー・パーク 他
- 原作・制作:ダーレン・スター(『Sex and the City』の生みの親)
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