ベビースキーマとは何か
「赤ちゃんや子犬、子猫を見ると、思わず守ってあげたくなる」――誰もが経験したことのある感情の背後には、進化心理学的な要素があります。これを説明するのが「ベビースキーマ(baby schema)」という概念です。
ベビースキーマとは、動物行動学者コンラート・ローレンツが提唱した理論で、赤ちゃん特有の外見的特徴が大人に養育行動を引き起こすというものです。
かわいさを感じさせる特徴
ベビースキーマを構成する要素には、次のような特徴が挙げられます。
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大きな頭と体のアンバランスさ
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丸みを帯びた顔の輪郭
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大きくて離れた目
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小さな鼻と口
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短い手足
これらの特徴が揃うと、人間は「かわいい」と感じやすく、守りたいという感情が自然に生まれるのです。
進化的な役割
ベビースキーマは単なる「感情」ではなく、種の存続に関わる重要な仕組みだと考えられています。
赤ちゃんは自力で生き延びることができないため、大人に世話をさせる必要があります。そのため「かわいさ」というシグナルを進化の過程で獲得し、それを見た大人が無意識に保護したくなるようになったと考えられます。
現代社会への応用
このベビースキーマは、広告や商品デザイン、キャラクターづくりにも活用されています。例えば、アニメやマスコットキャラクターの多くは、丸顔・大きな目・小さな口といった特徴を持っています。これによって人々の注意を引き、愛着を持たせる効果があるのです。
また、ペット産業においても、子犬や子猫の写真が多用されるのはベビースキーマの影響を最大限に利用している例と言えるでしょう。
まとめ
ベビースキーマは「かわいさの正体」を科学的に解明する概念であり、進化と文化の両面から私たちの感情に深く根ざしています。日常で「かわいい」と感じる瞬間の裏には、こうした普遍的なメカニズムが隠れているのです。
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