「ナルシシスト」と聞くと、自分に酔いしれて他人を見下す人物像を思い浮かべる方が多いでしょう。
しかし心理学的な研究では、ナルシシズムには少なくとも二つの異なるタイプが存在するとされています。それが 誇大性ナルシスト と 脆弱性ナルシスト です。
誇大性ナルシストとは
誇大性ナルシストは、典型的に思い描かれる「自己中心的で自信満々な人」です。
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強い自尊心と自己顕示欲
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注目を浴びることを好む
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主導権を握りたがる
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カリスマ的に見えることもある
彼らは表面的には魅力的でリーダーシップを発揮する場面もありますが、他人の感情への共感が弱く、批判に対しては過剰に攻撃的になる傾向があります。
脆弱性ナルシストとは
一方、脆弱性ナルシストは一見すると誇大性タイプとは正反対に見えます。
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自尊心が不安定で、他人の評価に過敏
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批判や無視に強い不安や恥を感じる
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内心では「特別でありたい」という欲求を持つが、それをうまく表に出せない
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人間関係において依存的・防衛的になることが多い
外からは控えめに見えても、内面には「自分はもっと評価されるべき」という欲望が隠れており、その葛藤から抑うつや不安につながる場合もあります。
二つのタイプは共通している?
誇大性と脆弱性はまったく別物に見えますが、心理学的には「同じナルシシズムという根っこを持つ表れ方の違い」と捉えられています。
どちらも 「自分は特別でありたい」という欲求 を基盤にしていますが、それを表に押し出すか、内面で葛藤として抱えるかの差があるのです。
対人関係での影響
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誇大性タイプは「支配的・攻撃的」でトラブルを生みやすい
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脆弱性タイプは「依存的・過敏」で疲弊を生みやすい
いずれにしても、相手との関係に歪みをもたらすリスクがあります。
まとめ
誇大性ナルシストと脆弱性ナルシストは、対照的に見えて実は同じ心理的欲求の二つの表れです。
自信に満ちて他者を圧倒する人も、過敏で傷つきやすい人も、根底には「自分を特別だと感じたい」という共通の思いを抱えています。
この違いを理解することは、人間関係を読み解くヒントになるだけでなく、自分自身の内面に潜むナルシシズムに気づくきっかけにもなるでしょう。
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